2004年9月25日 於 秋葉原 YS

お題はGJ「戦略級 南北戦争
小生北軍 副代表南軍 標準シナリオをプレイ
久々にPoint to Pointのゲーム。当初今はやりの(謎)カードドリブンシステムのゲームをやりましょうということで選定したはずがカードドリブンシステムの元祖であるAH”WE THE PEOPLE”の和訳の準備が整わなかったので、ならカードが日本語のものを、つまり国産ゲームで・・・という流れになって結局折衷案的にアメリカものの国産品ということで上記南北戦争に決まったら、カードドリブンシステムではなく、チット引きシステムでした、というオチ。まあチット引きシステムも自分的には興味の有る方なのでこれはこれで良し。


南北戦争の特徴は両軍の性格の違い、両軍の勝利の定義の違いが明白であるというところです。南軍は分離独立がそもそもの戦争目的なので勝利得点上では時間が味方します、つまり効率の良い遅滞戦術が出来れば勝ちます。一方北軍はその南軍の独立心を折るために経済的に締め付けて遅滞戦術のための軍隊の回復力を奪い、速やかに大都市を攻略して勝利得点を稼ぐ必要があります。そして北軍にはそれを可能に出来る経済力を背後に持っています。よって経済封鎖が成功すれば南軍にとって時間は単純に味方ではなくなる、というわけです。


で、盤面上を見渡しますと確かに北軍は多数の軍隊を保有しています。生産力も南軍の倍です。河川移動も北軍にのみ認められています。・・・ですが、いかんせん将官が南軍に比べて劣ります。将官の能力は3つに別れており、1)階級によって率いることができるユニット数が決まり(星1つで1ユニット最高は星4つなので4ユニット)、2)戦闘力によって戦闘時のイニシアチブ修正の有利・不利が生まれ、3)移動力によって軍隊としての行動力が決まります。以上3つのカテゴリーがあるのですが、ここで速やかな進撃に欠かせない3)の低い将官北軍には上位に行けば行くほど多いのです。その象徴的人物は星4つのマクミラン将軍の移動力1。このゲームは相手の軍隊のいる都市に侵入するときに+1移動力が必要なのですが、もう、おわかりのように移動力1では自分から攻撃できないんですね。つまりマクミランにはヌリカベ以上の役目は期待できないということです。北軍にもイキのいい将官はいるにはいるのですがいかんせんグラント将軍以外はみんな星1つ。少なくとも1回は戦をさせて功績をつんで昇進させる必要があります。


ただ、この昇進もクセモノで一部の将官は階級が低いときは能力が高かったのに昇進すると能力が下がる面々がいるんですね。まあ、その将官前線指揮官としては有能でも大将の器ではなかった、ということをシミュレートしているんでしょうが、我々には彼らが優雅な年金生活を夢見て保身に走った、としか思われなかったのも事実(笑)。
いろいろと書きましたが、結局北軍としては淡々と力押しして相手に回復力以上の消耗を強いてじり貧に追い込むことを念頭にプレイしていましたが


1)海上封鎖、港湾要塞攻略が悉く失敗したこと。特に海上封鎖用艦隊があるターンに3つ吹っ飛んだのは痛かった。(艦隊1つが各ターンに吹っ飛ぶ確立は6分の1)これで南軍は回復力が4を切ったことが1度もなかった。その上、艦隊を軍事行動に利用するためには生産・配置で1艦隊当たり3コストかかるのでこの点からも痛かった。(ちなみに1戦力ユニットは1コスト)


2)人事上の失敗。チット引きの時にリンカーンチットを入れておくと、コレを引いたときに将官を1人更迭して新たに引き直すことができるのですが劣化コピーのような将官しかこなかった。(戦線は0部長でイッパイ(笑))


3)ダイスの不運。戦闘後参加した将官ごとにダイスチェックを行うのですが(ここでうまくいくと昇進したりする)2D6の2を出すとその将官が戦死してしまうのです。よりによってその36分の1が北軍の中でも有望株だったシャーマン将軍(戦闘力2、移動力4)の時に出てしまったことが大きかった。あと最終ターンでもグラント将軍が負傷(これは2D6で4のとき)してダメを押されてしまった形。


結論からいえば、経済封鎖に失敗したために将官の能力差から果敢に消耗戦を挑むことに多少躊躇してしまったのが最大の敗因かなあというところです。このゲームは基本的に攻撃側になった方がイニシアチブを取りやすいので(基本的に彼我の将官の戦闘力の差に1D6を加えたものが3以下にならない限り攻撃側不利にならない。)最終的には戦力の半分切り上げの数だけダイスを振って5以上ならば相手に1ステップロスさせられるので、数で勝る北軍はすぐに退却してもいいからどんどん力押しすればよかったんですね。特に北部では。ミシシッピ流域ではうっかり補給線を切られる心配があるのでその心配のほとんどない北部でジャンジャン南軍の消耗を強いてその回復分をミシシッピ流域に回せないようにするのがいいんでしょうね。ただ、話は戻りますがこの作戦をするためには移動力が2以上の星3つクラスが必要になるんですよねえ。途中でマクミラン将軍を西部に移動させて、グラント将軍を北部に持っていったんですが時既に遅しという感じでした。(しかも上記のように負傷しちゃうし・・・)首都は落とされなかったものの、VPの差で南軍の圧勝でした。
でも、まあゲームそのものとしては楽しかったです。



戦略級南北戦争が説明書通り4時間ほどで終了したので、軽く何かやりましょうということになって数年ぶりにSSシリーズの「信玄対謙信 決戦川中島」をプレイ。

小生 武田軍 副代表 上杉軍

このゲームは将棋のように1手ずつお互いに移動・攻撃を繰り返して双方が連続してパスすると1ターン終了という形です。ユニットの能力は攻撃力・移動力・防御力・回復力の4つがあり、戦闘は攻撃力と防御力の差と1D6で判定します。移動・攻撃又は戦闘判定で疲労になるとユニットを裏返してそのターンはもう移動・攻撃はできなくなります。しかもこのゲームは一度接敵したらその相手を屠るまで(若しくはやられるまで)離れることの出来ない強ZOCシステムなので、これらを聞くと前線からさっさと動かしたくなるところですが、ユニットは裏返ると表の時より防御力が−1になるのでうかつに動かすと首を刈られやすい状況に陥りやすいのでジレンマです。

ヒストリカルの常で武田軍、上杉軍にはそれぞれ特徴があります。

武田軍

1)奇襲を受けた方なので初期ユニット数が少ない。(ターンを経るにつれ、別働隊がどんどん戻ってくるので時を稼がなくてはならない)

2)防御力が上杉軍よりも高めに設定してあるユニットが多い

3)特別ルールで信玄の不動の陣がある

3)については説明すると、先ほど説明した戦闘結果は軽微な順に効果なし、疲労、後退、混乱、敗走、壊滅となっており、混乱と敗走になると混乱マーカーが置かれ防御力が−2になってしまいます。このゲーム攻撃は1ターン1回しかできませんが、攻撃される側に立つのは相手が出来る限り可能なので混乱状態になるとかなりきつくなります。そしてターン終了後の回復時に裏返っただけのユニットはそのまま表になるのですが、混乱状態のユニットは回復チェックで回復力以下の目を出さないと混乱状態から抜け出せないのです。で、特別ルールの信玄の不動の陣とは、信玄が初期配置から動かないでターン終了時に表のままだった時、武田軍の回復チェックで各ユニットの回復力を+1修正できるというものです。ただ、この不動の陣はなかなかの曲者で信玄の身柄の安全を確保するためには別働隊と本隊を合流させる必要があるので基本的に信玄も別働隊の方へ移動させないことには敵中に孤立してしまうおそれがあるのです。つまりいつ信玄を動かすか、これがなかなかにジレンマです。

一方上杉軍は対称的に

1)序盤では数的優位があるがターンを経るに従って逆転する

2)武田軍に比べて攻撃力が高いが防御力が低い

となっています。このゲームの勝利条件は敵方の大将(信玄と謙信)の首を取るか、ターン終了時に取った首の数で5個以上の差を付けることなので、要するに上杉軍はその序盤のイニシアチブを生かして短期決戦に持ち込まなくてはならない、ということです。
怒濤の波状攻撃を仕掛けてくる上杉軍に対し、別働隊との合流を果たすまでいかに被害を最小限に食い止めて戦線を維持するかが武田軍の命題であり、防戦一方でも上杉軍の力押しで5個差を付けられてしまうおそれがあるし、かといって蛮勇を奮ってうっかり戦線が崩れると信玄を危険にさらしサドンデスに追い込まれるかもしれず、この攻守のバランスをどう取るかが武田軍には求められます。

で第1ターン開始時にこのターンでの武田軍の別働隊到着ポイントチェック(武田本隊に近い順に3箇所ありますが一番近い1,2は山地なので足が遅くなるため理想は中間地点の3,4)で1。まあ、仕方ない。武田軍としては上杉軍のジェットストリームアタックよろしくの波状攻撃をされるのが何よりもいやだったのですが、上杉軍も思ったより成功しておらず横一線に戦線が出来ている模様だったのでこのターンは不動の陣を利用することを決めました。

第2ターン。またも別働隊は山からの出撃。いやな予感がする。回復はうまくいっているのだがこちらも思ったより上杉軍の首を刈れていない。よって味方の大半は接敵したままであり、思ったように別働隊との合流が果たせないので、信玄が危険域に達していないのを確認してこのターンも不動の陣を利用。

第3ターン別働隊はようやく3,4から出撃するものの上杉軍の主力は大分武田本隊に近接しているので牽制にもならず信玄はついに陣を移して川向こうに転進。ところが相変わらずダイスの目が奮わず結局このターンで首の数5個差をつけられて敗北・・・。
ダイス目のどうしようもなさはあるものの、カンタンでありながら割と奥深いのでしばらくは推奨ゲームとして持ち歩くことに決定。

最後に「ドイツ機甲師団長」のミニシナリオをプレイして次回の予習としました。
作戦級なので兵科ごとの特長が際だっておりなかなか新鮮でした、というより慣れるまで覚えるのが一寸大変。